田舎暮らしの伊豆日記

伊豆日記

 

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Fさんの嫁退治 

2007/12/06

釣り風景(祖父と孫)縮小

かくして二人の作戦は成功して…

 Fさんは、数年前に還暦を迎えました。
長らく勤め上げた会社に役職定年で残ることもできましたが、友人の会社社長がどうしてもと言うので、まあ週に2,3日、なんてつもりが、今では会社にとって欠かせない戦力になってしまって…定年時に立てた計画は急遽変更。天城ハイランドには、月に2~3日しか来ることができなくなってしまいました。

 Fさんは、釣りが大の趣味です。天城ハイランドに来ると、いつもは白田漁港の突堤で糸を垂れます。Fさんが天城ハイランドから、カートに載せたボートを引いて下る姿も時々目にします。いずれ、暇になったら白田の漁師さんから中古の魚船を譲り受けて、漁業組合に入れてもらおう、と真剣に考えています。

 Fさんには、目の中に入れても痛くないほどかわいい孫の正太クンがいます。
今年小学校5年生になる正太クンは、都会の小学校に通っているフツーの子供です。Fさんは密かに期するところがあって、正太クンがまだ小学校に入る前から、釣りの特訓をしてきました…と言いたいところですが事実は、正太くんを天城ハイランドに連れて来ると、Fさんのそばを片時も離れないので、結局はFさんと白田の突堤で過ごす時間が多くなってしまった、だけのことなんです。だから正太クンは、都会の子らしくなくミミズやゴカイを平気でつまんで針につけます。

 さて、正太クンのママの登場です。ママは正太クンを某有名私立中学へ入学させるというの大きな野望を抱いています。

八幡野魚港‐縮小

白田漁港

 ママは正太クンには、年3回の休みに進学塾に通ってほしいのです。天城ハイランドさえ無ければ、正太クンは塾に行くかも知れない。だから、ママは天城ハイランドが大嫌いなのです。ママは舅のFさんには、遠慮があって直接言うことが出来ない分、Fさんの息子、つまり自分の亭主に愚痴をこぼします。

 ところで、天城ハイランドにはK大を出て中高一貫の有名私立学校の先生を退職されたCさんがいらっしゃいます。Cさんは、気さくでいばらない方で、Fさんとは立ち話仲間です。一度、Fさんの弟子入りをして釣りを始めてみるか、なんて話をしています。Fさんは一計を案じて、Cさんに正太クンの家庭教師になってもらう、と言う話を作りました。Cさんには、ことの成り行きだけは話ましたが、せめて1回だけでも家庭教師の真似事を…なんてことも一切お願いはしませんでした。

 ママは半信半疑。でも、Cさんの経歴を聞けば反対することもできません。そこで、正太クンは、今年の夏休み、ママのお許しを得て山のような参考書を抱えて天城ハイランドに来ました。これで、正太クン、夜は参考書と首っ引きなら、とりあえず八方丸く収まるのですが、私はFさんからそんな美談は聞いていません。Fさんと正太クンは、完全な共犯ですから、絆がますます強くなったことは事実でしょう。でも、この話、めでたしめでたしなんでしょうか。。

 実は、このお話のタイトル「嫁退治」は、Fさんの言った言葉をそのままそのまま使わせて戴きました。実態は、退治と言うより「嫁だまし」に近いと思いますが、私はある意味Fさんに感心しています。

 嘘は、いずれバレるでしょうし、賢明なFさんが分かっていないことはありません。
いくら孫のためとは言え、こんな嫁退治まですれば、Fさんが将来かなりの責任を背負い込むことは間違い無いことでしょう。また、正太クンにとっての良し悪しは、一生かかっても結論の出ない難しい問題です。しかし、Fさんは程度の差こそあれ将来の修羅場を覚悟しています。

 そして選択し実行したのです。


熱川お面館のKさん

2007/12/04

お面館と木村さん

Kさんとお面

 Kさんは、熱川温泉の「王族」のご一統です。なにしろ、お祖母さんはあの有名な「細腕繁盛記」(と言っても、今の方はご存知無いかも知れませんね。昭和40年頃異常な高視聴率を誇ったTV番組なんですが…。)の、艱難辛苦をものともしないヒロインのモデルと言われている方ですから。

 熱川温泉のペンションつくし館は奥さんにまかせっぱなし。もっとも、有能な旅館の経営者たる秘訣は、良き女将をスカウトすることだけで、あとは見つけた女将にまかせっきりなんだそうです。で、Kさんは、見事に有能なることを証明して、お面の製作とお面館の館長職務にかかりっきり…に見えます。
 それだけじゃないぞ、とご本人が抗議するかもしれませんからあえてフォローすると、お面館の合間を見てはミツバチの繁殖と蜂蜜の採取、竹炭焼きや自家製ベーコン作りなど…で忙しいんだとか。
(やっぱ、あんまり本業には直接関係ありませんかね。)

 Kさんは、生涯1,000面製作を目標としていて、現在までになんと700面を製作したそうです。その熱意と努力にはいつも心底敬服します。
 Kさんのお面は、おそらく、エライ評論家の大先生なんぞにかかれば、芸術作品としてのオリジナリティに欠ける、なぞと言われること必至なものでしょう。

 でも、Kさんは平気です。世間からどう評価されようが、作りたいものを作るだけですから。

 私がいつも不思議に思うことは、Kさんのその情熱が一体どこから出て来るのか、です。Kさんのお面は、伝統的な能、田楽、猿楽などのお面や、日本中の古刹の仏像の顔面を拡大したもの…に見えます。中には、高さ3.5mの巨大なお面もあり、その大きさに圧倒されます。
 私の知る限り、知り合いの彫刻家や画家たち芸術家は、いかに人と違うものをとか、世界中に己だけが作れるものとかいう、オリジナリティをひねり出すことに苦心しているように見えます。
 Kさんのお面は、素人の私でさえ、写真や修学旅行でお目にかかったことのある高名な顔がたくさんあります。私には、Kさんがわざと、誰でも知っている顔やお面に似せておいて、実はオリジナルとはまったく違う印象を持たようと、たくらんでいるように思えてなりません。
 それというのも、お面は、第一印象こそオリジナルに似ていはいますが、型抜きではありませんから、実際はKさん流にアレンジしているのです。ちょうど、似顔漫画みたいなもんでしょうか。写真と違い、特徴だけを強調して書かれているんだけど、何だかとっても似てるように感じる、ようなもんですかね。
 さらに、お面の大きさがオリジナルの数倍から数十倍になると、その大きさだけですさまじい迫力が生まれて、まったく違う印象を受けてしまうから不思議です。

 お面の材料は極秘のノウハウなのだそうですが、私にだけこっそり教えてもらいました。なんと、古新聞紙を溶かしたパルプを海草糊で固めたものなんだそうで、とってもリーズナブルかつエコロジーなんですね。

お面館内部

熱川お面館の内部

 お面師だけあって、Kさんは相手の人相骨柄を見て、健康状態や性格、体のウィークポイントなどを直ちに判定します。まるで名医か易者のようです。しかも、診断の根拠となる、古今東西の文献や学説なども説明してくれますから、ある意味とっても論理的で説得力がありそうに思えます。

 Kさんは、つくし館の宿泊客にも心身のウェークポイントを指摘します。ほとんどの人は、それなりに不健康な生活を送っていますから、Kさんの(正しくかつ手加減ない)指摘にはギクッとするでしょう。手加減なく聞こえるのは、実はKさんが、思うことを正直に話しているからからなんですが…。
 ひそかに不安を感じる人がいても、Kさんは、診断のオマケに、養生法や正しい生き方の解説まで付けますから、フォロー満点に見えます。

 でも、私は、指摘された当のご本人が、不満そうな顔をしているのを…何度か盗み見しました。他人から、大食いや酒煙草の飲みすぎなど、自らの不養生を指摘されることは、決して愉快じゃなんでしょうかね。(私も、お酒、ちょっと控えようかな…。)

 だから、Kさんは孤高の人とならざるを得ません。そして、私は、そんなKさんが大好きです。


糖尿病が完治したCさん

2007/12/02

伐採風景1-縮小

今日は地主に頼まれて邪魔な木を伐採。これも管理の仕事です。

 Cさんが天城ハイランドに永住してから数年になります。十数年前天城ハイランドに土地を買い求めました。街路灯が無くて、夜、満天の星がくっきりと見えたからです。そしてスウェーデンハウスを建てました。省エネ抜群なのが気に入ったからです。
初めは、奥さんと一緒に伊豆探検の基地としてときどき利用していました。
  
 Cさんは、某大手企業のトップ営業マンでした。そのモーレツぶりは同僚や部下の語り草になるほどで、平日は接待宴会でいつも午前様。休日は接待ゴルフと19番ホールでの反省会。それこそ、寝る間も惜しんで働きました。

 Cさんの持病は糖尿病でした。永らく、薬を飲みながらだましだまし付き合ってきました。当然のことではありますが、ついに主治医から、仕事か死かの決断を迫られました。そして、…Aさんは、天城ハイランドに越して来たのでした。

 天城ハイランドに越して来ても、そこは根っからの営業マン。非常勤ではありますが管理会社に所属して、管理のかたわら「この枝伸び過ぎて邪魔ですね。」とか「ベランダ、これじゃ危ないですよ。」なんて仕事を取っては、「さび落とししよう会」の出番を作ります。そうそう、「さび落とししよう会」って、天城ハイランドにお住まいで昔○○だったなんて腕に覚えのある方達の、半ボランティア技能集団なんです。

 天城ハイランドの朝は日の出とともに始まります。なにしろ、ほとんどのお宅で犬を飼っていますから、散歩が毎朝の日課となっているからです。Aさんも朝は5時に起きます。分譲地の見回りと愛犬の散歩、さび落とししよう会の手配とメンバーと一緒に仕事、夕方のお疲れ様ビール会、Aさんの一日は目の回る忙しさです。

 そして、ある日気がついたらあの持病の糖尿病が治っていました。最近は、忙しさにかまけ薬の服用を忘れることがしばしばだったのです。なにしろ、薬を服用しなくても支障がないのでつい…。主治医もびっくりの検査結果でした。Aさんは笑いながら言います。「一念発起で悲壮な決意をした訳なんかじゃないのに。」
  
 Yさんの花粉病と同じく、完治の原因はよく分かりません。生活習慣が変わりストレスが無くなったとか、毎日運動するようになったからとか、しかめつらしい解説には事欠きません。しかし、一番の原因は美味しい水と空気を飲んでいるせいだ!って言いたいのですが…これもよく分かりません。


花粉症が治った!ホントの話

2007/11/28

Yさんの花粉症‐縮小

Yさんとコロ

 Yさんは、重症の花粉症でした。でした、と言うのは天城ハイランドに暮らすようになってから完治してしまったからです。花粉症って軽症から重症まで6段階あるんだってこと、Yさんから初めてお聞きしました。当然、Yさんは最重症の6でした。花粉の季節になると、肌は湿疹だらけで赤くただれ,くしゃみは止まらず鼻水垂れ流しで仕事どころではないほどだった、そうです。

 なぜ、花粉症が天城ハイランドに来て治ってしまったのか、その原因は分かりません。だって天城ハイランドは杉檜のうっそうとした森の中にあって、しかも、Yさんは一日中マスクをして家の中に閉じこもっている訳にはいきません。なにしろ、毎朝毎夕犬と猫の(ハードな!)散歩の日課があるのですから…。

 ところで廻りを見渡すと、天城ハイランドにはいる、いる、オレも、オレもって花粉症が治った人だらけです。当然のことですが、天城ハイランドの花粉の量は都会に比べて数倍あるいは数十倍多いことは想像できます。では、花粉の質が違うのでしょうか。花粉は田舎では良い子だったけど、都会に出かけてスモッグなどの有害物質にそそのかされて非行化したのでしょうか。

 Yさんにその原因を聞いてみました。
(Yさん談)私の生活が東京から天城ハイランドに来て変ったことって言えば…食べてるもんは変わらないし。でも、水は美味しいよね。そう、やっぱ、大きいことは仕事から離れたことかな。肩肘張らないでいれるって良いよね。健康にはこれが一番だね。
 天城ハイランドの一日って、犬猫の散歩(犬にはぐいぐい引っ張られるんで、ハ~ハ~ゼイゼイ息も絶え絶え。これって花粉思いっきり吸ってんだよね。)か、誰かと出会いがしらの立ち話、よそん家に行ったりですぐ暮れてしまうし、早いよね。だから、晴れた日はほとんど外にいて顔も日焼けして真っ黒。花粉症治ったことってこんなことしか思いつかないんだよね。花粉症には、花粉の出来立て新鮮なやつをいっぱい吸えば、かえって良いのかね?

 (余談ですが♪、Yさんちには犬が4頭、猫が10匹同居しています。犬はさておき、Yさんちの猫の散歩っておもしろいんですよ。猫たちは、Yさんの奥さんを中心にして、まるでゴムひもでつながれているように30mくらいの距離をぐるぐる回りながら、奥さんの歩く方向に進むんですよ。)


頼まれ上手のAさんのこと

2007/11/27

おつきあい上手のAさんのこと

(写真はイメージです。)

 Aさんが天城ハイランドに越して来て数年になります。Aさんはひとり暮らしです。奥さんがいらっしゃったとは聞いていますが、死別されたのか離婚されたのかはよく分かりません。息子さんと娘さんもいらっしゃるようですが、尋ねて来られたことは一度もありません。Aさんはいつも洗いざらしの作業着を着て、まるで伊豆の土着のお百姓さんのように見えます。

 Aさんは聞き上手です。と言うより進んで自らのことを話すことはありません。実は、ご家族のことも何とはなくばそっと話した言葉を私が後からつなぎ合わせただけなのです。田舎では出会いがしらの立ち話が日課ですから、深くうなずきながら相手の話を真剣に聞いているAさんの姿をいつも見受けます。

Aさんはいつも笑顔です。そして人が自分にしてくれたささいなこと、たとえばAさんの健康を気ずかうような言葉にさえ大げさと思えるほどに感謝します。

 Aさんは同時に頼まれ上手です。なにしろ、いつも相手に感謝することばかりなんですから、お返しに何かをする理由にこと欠きません。相手に何かをしてあげても決して恩着せがましくはなく、「○○でお世話になったけど、何もお返しできないからせめてこのくらいはさせてほしい…。」と体を小さくしてボソボソとすまなさそうに言うだけなのです。

 Aさんは固定電話を引いています。Aさんは少しくらい遠い人でも嫌な声ひとつ上げたことはありません。だから、どうしても携帯しかない人への取次ぎの用事をお願いすることが多くなります。頼まれたときAさんはいつも、世話になってばかりで心苦しかったからこんなことで少しばかりの恩返しをさせてもらえれてありがたい、と言います。
 Aさんは決して人格者ではありませんが、みんなから好かれています。…でも、少しだけ寂しそうにも見えます。


田舎暮らしの近所付き合い。

2006/06/28

田舎暮らしがしたいのですが、近所付き合いがうまくできるか、心配なんです。

都会から、田舎に移住を考えたとき、一番心配なことは、近所付き合いですよね。実際、田舎暮らしを始めたものの、近所と上手に付き合えなくて、家に引きこもりしている人っているんですよね。(なぜか、昔、えらかった男性に多いんですが。)

初めての土地で、おそるおそるの近所付き合い。誰でも最初はそうでしたけど、皆さん、それなりに、上手な近所付き合いをしているようです。2年前に、東京から、天城ハイランドに移住した、Bさんに、お話をお聞きしてみました。

Bさんのお話

田舎暮らし

 私は初め、伊豆の漁港の近くの、漁師町に住みたかったんですよ。漁師から取立ての魚なんか分けてもらえるって思って。そこで、不動産屋の物件をいろいろ見たり、地元の方に聞いてみたりもしました。
 
 でも調べるほど、この歳からでは、地元の方たちに溶け込むには無理があるかな、と分かってきました。地元には、先祖代代の人間関係があって、冠婚葬祭のお付き合いや、様々な行事があって。月に数回も駆り出されるのは、正直しんどいなって…

 そこで、私と同じように、都会から移住した方が多い、伊豆の分譲地を探し、天城ハイランドに決めました。伊豆高原も散々見たけど、これじゃ東京と変わりないって思ったね。それに比べて、ここは本物の伊豆の田舎に思えましたから。実際、来てみたら本当にすごい田舎だったけどね。

 私が、いつも気をつけてることは、あいさつですね。自分から、積極的にあいさつするよう、心がけているんですよ。あいさつされて怒る人っていませんからね。初めの頃、怪訝な顔してた人から、今では、向うから先にあいさつされることも多いですしね。思わず,足が止まって、立ち話になるんですよ.

 今は、引きこもりして家から出てこないから良いんだけど、自慢話だけの人っているんですよね。それも、昔の学校とか会社の役職とか。
同じ立ち話でも、長く聞いているのは苦痛だし、度重なると迷惑ですよね。こういう人とは、道で会っても、できるだけ忙しそうなふりして逃げるんですよ。私も、「人のふりみて…」ですから、自分のことは話しすぎない、他人の悪口は言わないっていくつか気をつけてはいるんですがね。

 自慢と、ひとの悪口。この2つは絶対言わないって気をつけてるんですよ。
まあ、これって田舎だけのことじゃないんですがね。結局、都会も田舎も上手な近所付き合いの法則ってあんまり変わらないんじゃないですかね。

 

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