田舎暮らしの伊豆日記

伊豆日記

 

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けやき公園の魔法使い

2008/06/22

けやき公園朝市

朝市のひと

 6月のある日、東伊豆町奈良本にあるけやき公園で、恒例の朝市がありました。
ちょうど梅雨の合い間の、カラッと晴れた気持ちの良い日でした。

 けやき公園は、ホタル狩りのメッカでもあります。最近は、ホタルブームで、東伊豆町でも観光の目玉として大いに宣伝していて、町全体では7ヶ所も「名所」があるんですよ。
ホタル=豊かな自然、って連想は、ビックな観光施設をもたない田舎町にとっては、格好のうたい文句になりますからね。
 ここだけの話、ホタルの幼虫を放流したり、中には成虫を買って来て放したりして、どこでも裏方さんは苦労しているようですよ。
 でも、けやき公園は、そんなことしてません。それだけホタルさんにとって、居心地の良い場所ってことなんでしょうね。

けやき公園朝市

アレッなんの屋台だろ

 地場の野菜や果物、古物古着なんかの屋台のはずれに、なんだか、面白そうな屋台がありました。平台のうえに、発泡スチロールの飛行機と、木製のゴム銃が積み上げられています。

けやき公園朝市
けやき公園朝市

飛行機と鉄砲

 発泡スチロールの飛行機は、どれもカラフルなデザインで、雲まで届くくらい飛びそうですし、ゴム銃は、百発百中って顔して自信満々で横たわっています。

けやき公園朝市

 さっそく、飛行機を買って飛ばしてみました。すると、期待に反して、手から離れたとたんに失速して、ゴツンと頭から墜落です。
つぎにゴム銃。これも、ガンマンみたいに格好つけて、左手をエルボにして銃身を支えて打ってみるんですが、的のペットボトルにちっとも当らない。

 そこで、魔法使いのおじさんの登場です。
おじさんは、なにやらぶつぶつ魔法の呪文を唱えて、飛行機の羽をちょいとひねりました。すると不思議!おじさんの手を離れた飛行機は、グングン空高く飛んでいきます。
ゴム鉄砲は、引き金のうえの真鍮のリングの中央と、銃の先端の突起が重なった瞬間、息を止めて静かに引き金を絞るって魔法を教えてくれました。これには、呪文はありません。

 「すげ~。魔法使いみたいだ!」こどもたちの、感嘆の声を浴びて、おじさんは、とってもうれしそうです。
 魔法使いのおじさんは、魔人に命じて天から降らせたりしないで、何ヶ月もかけて作って来てるんですから。
 


伊豆の花いっぱい街道

2008/06/01

しだれ花
石垣には花いっぱい

 東伊豆町の伊東寄りの端に、伊豆大川というちっぽけな伊豆急の駅があります。いちおう、大川温泉なんて看板が国道沿いに立っていますが、おっきくてメジャーな旅館なんてありません。今はメインの道路になったR135バイパスが、波打ち際を走っていますが、平行して数百m山側に旧道があります。40年くらい前にバイパスができるまでは、この旧道が国道だったため、今でも屋並や農協、バス停は(と言っても、一日数便しか走っていませんが。)この道に沿ってあります。 この道が、花いっぱい街道なんです。

しだれ花アップ白大さつき
どの民家の石垣も

 
 観光バスや家族満載の1BOXなんかが行きかうバイパスと異なり、この道は地元の方しか通らない、忘れられたような通りです。ここ大川の地形も、伊豆では当り前の傾斜地ですから、道路の路肩は石垣積みのよう壁になっていて、この通りに沿って、両側に民家や農協、民宿なんかが並んでいます。
 
 海側の家は石を積み上げて玄関の高さを通りとフラットにしていますが、山側の家は、よう壁の石垣の上に建ててあります。この山側のどの家も、石垣の上に競うように花を植えています。 まるで、石垣がキャンバス代わりになった絵のようです。
 私は、何回も行ったり来たり。伊豆の田舎暮らし(の特権)を満喫しています。どう、うらやましい?


鹿の美人三姉妹

2008/05/20

鹿の姉妹(ロング)
いたいた!美人三姉妹

 
 天城ハイランドには鹿が約500頭いる!って言うと、あなたも驚かれるでしょうね。でも、下田農林事務所が、昨年発表した推計によると、天城山ろくには鹿が1平方km当り約2.5頭棲息しているそうです。天城ハイランドの広さは、約200万平方kmありますから、かけてみると先ほどの数になるのですが、当然、天城山の原生林と分譲地とは違いますから、それより多いと言う人と少ないと言う人がいます。鹿に聞いてみたことが無いので、人間が住んでいる場所が暮らしやすいのかどうかは、よく分かりません。
 
 しかし、冬の猟期になると、いきなり天城ハイランドの鹿口(人口と同じ意味です。)が増えるのは間違いありません。利口な鹿は、安全な場所がどこかよく分かっているようです。

鹿の姉妹(2頭)
ほら!早くパンよこせよ。

 鹿と会うときは、大抵は数頭の群れで、それも大抵は雌、おそらく親子姉妹です。雄は、単独行動をとっていることが多いですね。私は、この孤高なる同抱に対し、密かなる共感?を覚えずにはいられないことを、正直に告白しなければなりません。 

 早朝か夕方であれば、天城ハイランドに行き来する道では、必ずと言ってよいほど鹿に出会えます。先方も、すっかり人間に慣れていて(なぜか、猟師と普通の人とは瞬時に見分けます。)、車を止めてシャッターを押す間、ポーズなんかして待っててくれます。

 モデルのお礼に、私は、車にパンの耳を積んでいて、鹿たちのほうに投げてあげます。でも、そのうち、日光の猿のように、食べ物を実力行使で強奪していくような不良になっちゃうんでしょうか。とっても、心配です。 

「鹿に餌を与えないでください。」なんて看板、天城ハイランドにはいらないですからね。


家庭菜園は戦場

2008/02/17

畑のフェンス

要塞化して防護体制万全?

 天城ハイランドの家庭菜園は獣たちとの戦場です。人間たちは、フェンスやネットを張りめぐらして要塞と化し、獣たちの侵入を防ごうとします。ときどき、朝、鹿がネットに角をからませてダウンしているのを見かけます。
 
 でも、鹿はオリンピック級の高飛びをしますし、猪はもっぱらフェンスの下のトンネル堀りです。
 中には、フェンスをますます高くし、ホームセンターで高圧電流のセットを買い込んだりする人もいます。こうなると、獣たちとの知恵比べとなり、これがまたむきになったり、結構ハマって野菜つくりなんぞより面白いんだよね。
 だけど、Mさんのように「収穫の半分は鹿と猪の取り分」って笑っている人もいます。このくらい達観されると、もう尊敬するしかありません。

 獣たちの中でも、猿だけはどうしても撃退できません。フェンスもネットも全く意に介さないからです。蜜柑やトウモロコシなどの好物を植えないことが一番ですが、猿は大のいたずら好きで、人間の困る様子を見るのが楽しいらしいのです。食べもしないで根こそぎ引っこ抜いたりして、翌日、木の上から嬉しそうに見物しています。対策は、まあせいぜい、「困ってなんかいないんだぞ~」って空威張りして見せることくらいですかね。

 敵前逃亡ってわけじゃないけど、最近は天城ハイランドの途中の部落の休耕畑を借りて、「通勤耕作」している人もいますよ。どこでもそうらしいけど、ここ東伊豆も高齢化が進んでね。放置される畑がどんどん増えてんだよね。荒れさせているより、耕作してきれいにしてもらえれば大歓迎ってこと。
 
 結論。天城ハイランドに来て休耕畑を救い、ニッポンの食料自給率に貢献しよう!


田舎くらしとプライバシー

2008/02/09

プライバシー

今日は、住民総出の道路清掃

(Bさんのお話)

 田舎に住んでみて、初めて分かったことは、田舎ではいつも会う人が決まっているから、自然に、人間関係が濃くなるってことね。考えてみれば当たり前のことなんだけど、以前、都会に住んでて「田舎暮らし」したいな…」って漠然とあこがれていたときには思いもよらなかったね。
 覗き見しているわけじゃないけど、「あの家の奥さん、この3日ばかり見ないぞ。夫婦ケンカやったのかな。」とか、すぐ分かっちゃうよね。そういう意味では、プライバシーがない、とは言えるけどね。

 でも、良いこともあってね。このあいだ、私たち夫婦が留守のとき、たまたま、知り合いが訪ねて来てね。通りがかりの人が、「Bさんは、今日は人間ドックで東京に行ってますよ。」って教えてくれたんだって。まあ、人間ドックまでは言わなくともいいんだけど…

 伊豆の地元の人とのお付き合いでね、初対面なのにいきなり、「あんた、歳、いくつだね。」とか「仕事なにしてたんだね。」とか、「これから,どこ行くんだね。」とか、プライバシー無視の質問、連続攻撃されてびっくりしたね。
 田舎の人って、人のこと何でもこと細かに聞いてくるんだよ。そのかわり、自分のこともおんなじ。詳しく話してくれるんはいいんだけど。たとえば、自分の収入とか、エーッこんなことオレに話して良いの?って感じ。今では、慣れっ子ですけどね。
 そこで、お返しに自分の秘密、たとえば息子の嫁のグチとか話してしまうと、翌日には、ほかの地元の人から「あんたの息子の嫁は、ΟΟなんだってね。」って立ち話で言われちゃうんだよね。

 なんでも立ち話の話題にされちゃうから、田舎にはプライバシーがないって言われれば、そうなんだけどね。さすがに、天城ハイランドの人は、もう少し都会的というかストレートな言い方はしないけど、まあ、ソフトなだけでおんなじだね。考えてみれば、都会の人と田舎の人の違いって、この言い回しの差だけなのかも知れないね。

 救われるのは、行動や結果だけを話題にして、その人の性格とか動機なんかの心の中には立ち入らないことなんだよね。新聞なんかの履歴書欄、棒読みしてるって感じかな。別にマナーって気を使ってるようには見えないけどね。話が重くならないから聞いてて楽だし。
 まあ、ややこしいことに興味が無いだけかも知れないけど。
 
 田舎じゃ、用事の途中で知り合いと出合ったら、なにやかなの立ち話で1時間は取られるって、初めから覚悟しておかないとね。
 畑なんかでやりたいことあっても、畑は、明日もあるしさ。
 


夜の天城ハイランドは野生の王国

2008/02/03

夜の狸

なんだよ~目ェ眩むんじゃんかよ。

 この写真は1m以内に近ずいて撮影できたので、良く見ると狸さんの輪郭が分かるでしょ。天城ハイランドの獣たちは、人間を怖がらないんですよね。だから、さわらない限り近ずいても平気。
 そうそう、天城ハイランドは、猟期には、「獣口密度?」が急に上がるんですよ。

 獣たちも寝ますが、人間が近ずくとすぐに目を開けてこちらをじっと観察しています。廻りは街路灯も無い真っ暗闇。こっちはストロボの光だけが頼りで撮影しますから、出来上がった写真は、真っくろな画面になんかキラッと光るもんが2ヶ、になってしまいます。これじゃ、相手が何なんのか全く分からない。

 狸も、鹿や猪と同じに人間の出した生ゴミを狙ってはいますが、かれらより行動がスローな分分け前にはあずかれないようです。でも、家の床下をセカンドハウスにして快適に生活していたりして、意外とかれらよりチャッカリ実利を享受しているのかも知れません。

昼の天城ハイランドはお犬様の天下ですが、夜は獣たちの王国になります。(どっちにしても、天城ハイランドでは人間たちは肩身狭く生きていかなければなりません…)

 夜は、どこに居たのかとあきれるほど、そこいら中からわらわらと獣たちが出て来ます。犬たちが小屋に閉じ込められたり繫がれたりしますから、どんなにうるさく吼えられても、犬の鼻先まで近寄っては「フンッ」と平気です。

 猪は、生ゴミや家庭菜園の芋を狙っていつでも忙しそうに駆け回っています。
鹿は家族で、(一見)のんびりと歩いています。人間どもがうっかり置き忘れた買い物袋(ラッキーなことって、何年たっても覚えていますね。)や家庭菜園の野菜を捜したり、家々の玄関や勝手口をチェックしたり、ときどき、窓ガラスに鼻を押し付けて、室内を見物しています。夜、いきなりガラス越しに目が合ったりすると(鹿の目は、夜は電球みたいに光るんですよ。)、人間のほうが驚いて「ギャー」と声を上げることも。

 これって、もしかしたら逆動物園ですよね。


天城ハイランドはお犬様天下

2008/01/15

伊豆日記 犬の散歩

散歩の途中で。犬も人間もおしゃべりに夢中!

 天城ハイランドは、お犬様の天下です。天城ハイランドでは、ほとんどのお宅で犬を飼っていますから、みんなご主人様の名前なんぞ忘れ果てて、犬の名前の○○ちゃんのパパ、△△ちゃんのママって具合に呼び合っています。散歩の途中ですれ違ったらもう大変。犬もご主人様も立ち話に時間を忘れます。


 天城ハイランドに越して来て健康になった話、皆さんがおっしゃることですが、お犬様が一役買っていることは間違いありません。ほとんどの方は、犬の散歩は朝夕2回、朝食後と夕食前ですから、その時間は天城ハイランドの「お散歩ラッシュ」なんです。1回1時間として、約3~4kmそれも犬の体重を支えながら歩きますから、皆さんそろって健脚そろい、真っ黒な日焼けしたお顔をされています。

 大きな声では言えない話、夕方、こっそり犬の首輪を外して「勝手に遊んできてね。」としばしの間バイバイする方もいらっしゃるって聞いたけど、一人?きりの犬を見かけたことはありませんから、噂だけなんでしょうか。それとも、犬は天城ハイランドの人がいる中心方向より、周辺の山野に向かって駆け出すから、当然、見かけることが無いのでしょうか。鹿や猪に聞いて見なければ分かりませんね。「おいおい、勝手に犬を放たないでよ。うるさくってしょうがない。」


Fさんの嫁退治 

2007/12/06

釣り風景(祖父と孫)縮小

かくして二人の作戦は成功して…

 Fさんは、数年前に還暦を迎えました。
長らく勤め上げた会社に役職定年で残ることもできましたが、友人の会社社長がどうしてもと言うので、まあ週に2,3日、なんてつもりが、今では会社にとって欠かせない戦力になってしまって…定年時に立てた計画は急遽変更。天城ハイランドには、月に2~3日しか来ることができなくなってしまいました。

 Fさんは、釣りが大の趣味です。天城ハイランドに来ると、いつもは白田漁港の突堤で糸を垂れます。Fさんが天城ハイランドから、カートに載せたボートを引いて下る姿も時々目にします。いずれ、暇になったら白田の漁師さんから中古の魚船を譲り受けて、漁業組合に入れてもらおう、と真剣に考えています。

 Fさんには、目の中に入れても痛くないほどかわいい孫の正太クンがいます。
今年小学校5年生になる正太クンは、都会の小学校に通っているフツーの子供です。Fさんは密かに期するところがあって、正太クンがまだ小学校に入る前から、釣りの特訓をしてきました…と言いたいところですが事実は、正太くんを天城ハイランドに連れて来ると、Fさんのそばを片時も離れないので、結局はFさんと白田の突堤で過ごす時間が多くなってしまった、だけのことなんです。だから正太クンは、都会の子らしくなくミミズやゴカイを平気でつまんで針につけます。

 さて、正太クンのママの登場です。ママは正太クンを某有名私立中学へ入学させるというの大きな野望を抱いています。

八幡野魚港‐縮小

白田漁港

 ママは正太クンには、年3回の休みに進学塾に通ってほしいのです。天城ハイランドさえ無ければ、正太クンは塾に行くかも知れない。だから、ママは天城ハイランドが大嫌いなのです。ママは舅のFさんには、遠慮があって直接言うことが出来ない分、Fさんの息子、つまり自分の亭主に愚痴をこぼします。

 ところで、天城ハイランドにはK大を出て中高一貫の有名私立学校の先生を退職されたCさんがいらっしゃいます。Cさんは、気さくでいばらない方で、Fさんとは立ち話仲間です。一度、Fさんの弟子入りをして釣りを始めてみるか、なんて話をしています。Fさんは一計を案じて、Cさんに正太クンの家庭教師になってもらう、と言う話を作りました。Cさんには、ことの成り行きだけは話ましたが、せめて1回だけでも家庭教師の真似事を…なんてことも一切お願いはしませんでした。

 ママは半信半疑。でも、Cさんの経歴を聞けば反対することもできません。そこで、正太クンは、今年の夏休み、ママのお許しを得て山のような参考書を抱えて天城ハイランドに来ました。これで、正太クン、夜は参考書と首っ引きなら、とりあえず八方丸く収まるのですが、私はFさんからそんな美談は聞いていません。Fさんと正太クンは、完全な共犯ですから、絆がますます強くなったことは事実でしょう。でも、この話、めでたしめでたしなんでしょうか。。

 実は、このお話のタイトル「嫁退治」は、Fさんの言った言葉をそのままそのまま使わせて戴きました。実態は、退治と言うより「嫁だまし」に近いと思いますが、私はある意味Fさんに感心しています。

 嘘は、いずれバレるでしょうし、賢明なFさんが分かっていないことはありません。
いくら孫のためとは言え、こんな嫁退治まですれば、Fさんが将来かなりの責任を背負い込むことは間違い無いことでしょう。また、正太クンにとっての良し悪しは、一生かかっても結論の出ない難しい問題です。しかし、Fさんは程度の差こそあれ将来の修羅場を覚悟しています。

 そして選択し実行したのです。


熱川お面館のKさん

2007/12/04

お面館と木村さん

Kさんとお面

 Kさんは、熱川温泉の「王族」のご一統です。なにしろ、お祖母さんはあの有名な「細腕繁盛記」(と言っても、今の方はご存知無いかも知れませんね。昭和40年頃異常な高視聴率を誇ったTV番組なんですが…。)の、艱難辛苦をものともしないヒロインのモデルと言われている方ですから。

 熱川温泉のペンションつくし館は奥さんにまかせっぱなし。もっとも、有能な旅館の経営者たる秘訣は、良き女将をスカウトすることだけで、あとは見つけた女将にまかせっきりなんだそうです。で、Kさんは、見事に有能なることを証明して、お面の製作とお面館の館長職務にかかりっきり…に見えます。
 それだけじゃないぞ、とご本人が抗議するかもしれませんからあえてフォローすると、お面館の合間を見てはミツバチの繁殖と蜂蜜の採取、竹炭焼きや自家製ベーコン作りなど…で忙しいんだとか。
(やっぱ、あんまり本業には直接関係ありませんかね。)

 Kさんは、生涯1,000面製作を目標としていて、現在までになんと700面を製作したそうです。その熱意と努力にはいつも心底敬服します。
 Kさんのお面は、おそらく、エライ評論家の大先生なんぞにかかれば、芸術作品としてのオリジナリティに欠ける、なぞと言われること必至なものでしょう。

 でも、Kさんは平気です。世間からどう評価されようが、作りたいものを作るだけですから。

 私がいつも不思議に思うことは、Kさんのその情熱が一体どこから出て来るのか、です。Kさんのお面は、伝統的な能、田楽、猿楽などのお面や、日本中の古刹の仏像の顔面を拡大したもの…に見えます。中には、高さ3.5mの巨大なお面もあり、その大きさに圧倒されます。
 私の知る限り、知り合いの彫刻家や画家たち芸術家は、いかに人と違うものをとか、世界中に己だけが作れるものとかいう、オリジナリティをひねり出すことに苦心しているように見えます。
 Kさんのお面は、素人の私でさえ、写真や修学旅行でお目にかかったことのある高名な顔がたくさんあります。私には、Kさんがわざと、誰でも知っている顔やお面に似せておいて、実はオリジナルとはまったく違う印象を持たようと、たくらんでいるように思えてなりません。
 それというのも、お面は、第一印象こそオリジナルに似ていはいますが、型抜きではありませんから、実際はKさん流にアレンジしているのです。ちょうど、似顔漫画みたいなもんでしょうか。写真と違い、特徴だけを強調して書かれているんだけど、何だかとっても似てるように感じる、ようなもんですかね。
 さらに、お面の大きさがオリジナルの数倍から数十倍になると、その大きさだけですさまじい迫力が生まれて、まったく違う印象を受けてしまうから不思議です。

 お面の材料は極秘のノウハウなのだそうですが、私にだけこっそり教えてもらいました。なんと、古新聞紙を溶かしたパルプを海草糊で固めたものなんだそうで、とってもリーズナブルかつエコロジーなんですね。

お面館内部

熱川お面館の内部

 お面師だけあって、Kさんは相手の人相骨柄を見て、健康状態や性格、体のウィークポイントなどを直ちに判定します。まるで名医か易者のようです。しかも、診断の根拠となる、古今東西の文献や学説なども説明してくれますから、ある意味とっても論理的で説得力がありそうに思えます。

 Kさんは、つくし館の宿泊客にも心身のウェークポイントを指摘します。ほとんどの人は、それなりに不健康な生活を送っていますから、Kさんの(正しくかつ手加減ない)指摘にはギクッとするでしょう。手加減なく聞こえるのは、実はKさんが、思うことを正直に話しているからからなんですが…。
 ひそかに不安を感じる人がいても、Kさんは、診断のオマケに、養生法や正しい生き方の解説まで付けますから、フォロー満点に見えます。

 でも、私は、指摘された当のご本人が、不満そうな顔をしているのを…何度か盗み見しました。他人から、大食いや酒煙草の飲みすぎなど、自らの不養生を指摘されることは、決して愉快じゃなんでしょうかね。(私も、お酒、ちょっと控えようかな…。)

 だから、Kさんは孤高の人とならざるを得ません。そして、私は、そんなKさんが大好きです。


糖尿病が完治したCさん

2007/12/02

伐採風景1-縮小

今日は地主に頼まれて邪魔な木を伐採。これも管理の仕事です。

 Cさんが天城ハイランドに永住してから数年になります。十数年前天城ハイランドに土地を買い求めました。街路灯が無くて、夜、満天の星がくっきりと見えたからです。そしてスウェーデンハウスを建てました。省エネ抜群なのが気に入ったからです。
初めは、奥さんと一緒に伊豆探検の基地としてときどき利用していました。
  
 Cさんは、某大手企業のトップ営業マンでした。そのモーレツぶりは同僚や部下の語り草になるほどで、平日は接待宴会でいつも午前様。休日は接待ゴルフと19番ホールでの反省会。それこそ、寝る間も惜しんで働きました。

 Cさんの持病は糖尿病でした。永らく、薬を飲みながらだましだまし付き合ってきました。当然のことではありますが、ついに主治医から、仕事か死かの決断を迫られました。そして、…Aさんは、天城ハイランドに越して来たのでした。

 天城ハイランドに越して来ても、そこは根っからの営業マン。非常勤ではありますが管理会社に所属して、管理のかたわら「この枝伸び過ぎて邪魔ですね。」とか「ベランダ、これじゃ危ないですよ。」なんて仕事を取っては、「さび落とししよう会」の出番を作ります。そうそう、「さび落とししよう会」って、天城ハイランドにお住まいで昔○○だったなんて腕に覚えのある方達の、半ボランティア技能集団なんです。

 天城ハイランドの朝は日の出とともに始まります。なにしろ、ほとんどのお宅で犬を飼っていますから、散歩が毎朝の日課となっているからです。Aさんも朝は5時に起きます。分譲地の見回りと愛犬の散歩、さび落とししよう会の手配とメンバーと一緒に仕事、夕方のお疲れ様ビール会、Aさんの一日は目の回る忙しさです。

 そして、ある日気がついたらあの持病の糖尿病が治っていました。最近は、忙しさにかまけ薬の服用を忘れることがしばしばだったのです。なにしろ、薬を服用しなくても支障がないのでつい…。主治医もびっくりの検査結果でした。Aさんは笑いながら言います。「一念発起で悲壮な決意をした訳なんかじゃないのに。」
  
 Yさんの花粉病と同じく、完治の原因はよく分かりません。生活習慣が変わりストレスが無くなったとか、毎日運動するようになったからとか、しかめつらしい解説には事欠きません。しかし、一番の原因は美味しい水と空気を飲んでいるせいだ!って言いたいのですが…これもよく分かりません。


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